- 商船三井さんふらわあの2025年に就航した新造船「さんふらわあ かむい」に大洗(茨城県)から苫小牧(北海道)まで乗船しました。商船三井さんふらわあの大洗〜苫小牧航路には、夕方便と深夜便の2便があり、通常夕方便に客室構成も多い通常型の「さんふらわあ ふらの」姉妹、深夜便にはトラック輸送を重視して旅客設備が最小限のカジュアルフェリータイプの「さんふらわあ かむい」が就航しています。乗船したこの時期は深夜便の船が、「さんふらわあ しれとこ」「さんふらわあ だいせつ」から「さんふらわあ かむい」「さんふらわあ ぴりか」に置き換わる途中で、1隻は「さんふらわあ かむい」もう1隻は「さんふらわあ しれとこ」になっている状態でした。
深夜便はトラック輸送重視の便ですが、旅客にもメリットがある便で、出港が深夜のため、金曜日の仕事後の夜に東京を出発しても乗船が間に合う時間になっていて効率的に移動できます。公共交通機関を使用する場合、東京を20時ごろに出発する特急で水戸に向かいフェリーターミナルに向かうバスに乗り継げます。このバスは乗船開始より前の、出港4時間前(21:43)に到着するものですので、フェリーターミナルへの移動手段さえ確保できれば、もっと遅くに東京を出発しても十分に間に合うダイヤです。
- 大洗港のフェリーターミナルまでは、水戸駅から路線バスがあります。フェリー専用ではなく、通常の路線バスで、深夜便の時間帯には出港4時間前に到着する水戸駅21:20→大洗港21:43のみになっています。乗船開始が22:30ですので、45分間フェリーターミナル内で待たないといけない少し不便なバスです。大洗駅までの電車も本数が少ないですが、大洗駅から時間かければ歩くこともできるので、他の交通手段を確保できればもっと遅く行くこともできます。
水戸駅でのバス停は北口側の3番のりばです。2025年現在650円ですが、バスでは交通系ICは使用できず、現金以外ではクレジットカードのタッチ決済などが使用できました。
- 水戸駅の北口を出て左側にローソンがあります。深夜便の場合、船内にレストランはなく売店も商品が限られていますので、必要なものはここまでに購入しておいたがいいです。大洗港のフェリーターミナル付近も徒歩だとありませんので、バスに乗るまでに購入しておきましょう。
- バスは水戸駅を21:20の定刻に出発しましたが、到着は定刻より10分ほど遅れて21:53でした。ターミナルの自動発券機で予約していた乗船券を受け取ることができます。ここで磁気式のルームキーのようなカードの乗船券が発行されるのですが、乗船する「さんふらわあ かむい」はルームキーが旧来の物理的な鍵のためルームキーとして使うことはなく、カード型の乗船券になります。夜行フェリーのルームキーは、船内で受け取る物理的な鍵から、乗船券と一体化してターミナルで受け取るカードキー、チケットレスでスマホに表示できるQRコードと進化していますが、深夜便はトラック重視で旅客が少なくコスト削減のためか、新造船ですが物理的な鍵が採用されています。
- 本日乗船する「さんふらわあ かむい」はターミナルの横に着岸しています。
外見上の特徴は、トラック輸送重視タイプのためか、大きな"さんふらわあ"のマークではなく、前半分がRORO船のような青色に塗られたことです。船首部分も窓はなく、空気抵抗を減らすような作りになっています。
- 大洗港のフェリーターミナルには、1階・2階それぞれに自動販売機があります。ターミナル内に売店はありません。2階の方が数が多く、アイスクリームなどもありました。
- 30分弱ターミナルで待って、22:30に乗船開始になりました。通常の夜行フェリーですと、出港1時間〜1時間半前ぐらいが多いですが、本船は深夜出港のためか、3時間45分前の乗船開始です。オフィシャルサイトではこの時間までに到着するようにアナウンスされています。この乗船開始時刻の早さは、長距離フェリーの中で一番かもしれません。サイトには表記が見られませんでしたが、手続きの書類には最終乗船時刻は出港45分前の午前1時との記載がありました。東京を遅い時間に出発しても間に合いますし、深夜出港なのが気になる人も早めに乗船して寝てしまえばそこまで遅くなく感じることができます。
大洗港での乗船はボーディングブリッジからですが、乗船した場所は客室のある5階より下の車両甲板のあるところで、そこから細い階段を上がっていきます。横にエレベーターもあるので大きな荷物がある人はエレベーターを使うこともできます。無機質な階段を上がっていくところがカジュアルフェリーを感じさせます。