瀬戸内海について
関門海峡
関門海峡
- 西へ
- 関門海峡
- 東へ(周防灘)
- 本州と九州の境目にある関門海峡は瀬戸内海の西の端で、ここから西に出ると玄界灘になります。関門海峡を通ると九州のまわりをまわる分だけショートカットできるため多くの船が航行していますが、狭いだけでなく細長く曲がった航路で海の難所にもなっています。関門海峡は法律上は1つの港(北九州港と下関港を合わせた関門港)の中を横切る航路になっていて、瀬戸内海の他の航路(来島海峡や明石海峡など)の海上交通安全法の対象とはなっていません。
- 関門海峡に設定された航路でメインとなるのが周防灘側の東口から六連島東の西口までの関門航路です。西口側はもう1つ九州寄りの関門第二航路があり小型船を中心に利用しています。そのほか、八幡製鉄所などがある洞海湾へ入っていく若松航路や、各岸壁への航路があります。関門航路で最も狭い早鞆瀬戸(関門橋付近)はわずか700mしかありません。
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この航路を航行するフェリーは、大阪〜釜山(韓国)のパンスターフェリー、関西から中国に向かう上海フェリーや日中国際フェリーが通峡しているほか、松山小倉フェリー(小倉〜松山)が小倉港から周防灘へ、関釜フェリーが下関港から玄界灘へ航行しています。このうちパンスターフェリーは多くの場合関門第二航路を使っています。
短距離航路では、門司港〜唐戸間と巌流島の間を関門汽船が頻繁に行き来しているほか、小倉〜馬島〜藍島を北九州市営の「こくら丸」が1日3便運航しています。
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関門海峡で最も狭い早鞆瀬戸には関門橋があります。高速道路の橋で1973年に開通した歴史のある橋です。船舶の大型化に伴って各地で橋の下を潜れない問題が起きていますが、関門橋は当時から桁下61m(明石海峡大橋や来島海峡大橋65m、レインボーブリッジ52m、ベイブリッジ55m)と高く作られています。巨大な船は早鞆瀬戸を通れないことや、迂回もできることから大きな問題にはなっていないようです。
・関門海峡を通る大型船を眺める「早鞆瀬戸」
- 関門海峡は港の中を航行しているようなもので、両岸には港湾が広がっています。特に西側は戸畑製鉄所など重工業の工場も多く、これらの場所には10万トンクラスの巨大船が定期的に入港しています。巨大船の多くは早鞆瀬戸を避けて、玄界灘側からのアプローチですが、ばら積み船だけは、たまに周防灘側から早鞆瀬戸を通って入港することもあります。
- 海の難所になっている関門海峡には、海上保安庁が航路を管制する関門海峡海上交通センター(関門マーチス)が設置されています。海上交通センターは全国に7箇所あり、うち4箇所が瀬戸内海です。海上交通センターはレーダーやカメラ映像、AISなどを使って航行船舶を監視し、大型船の通過予定の調整や、各船と無線で交信して安全確保を行っています。船の飛行機の管制とは異なり、細かくコースなどを指示することはなく、各船長の判断で進んでいる船に対して注意(浅瀬や他の船の状況など)を促したり、各船間の調整を行うのがメインです。マーチスと連動して航路内では巡視艇が哨戒していることがあります。
- 瀬戸内海の水先人(パイロット・水先案内人)は内海パイロットですが、関門海峡は独自で関門パイロットになっています。瀬戸内海から玄界灘へ通過していく大型船は、関門海峡東口で、内海パイロットから関門パイロットへの交代が行われています。関門マーチスの大型船予定にはどちらのパイロットが乗船しているかの記載があります。関門海峡を通って豊後水道を抜けて太平洋に出る場合は周防灘側ではノーパイロットのことも多いです。
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