瀬戸内海について
伊予灘
  • 伊予灘は瀬戸内海の西側の愛媛県から大分県にかけての広い海域です。東側は愛媛県松山市沖の釣島水道から、西側は別府湾までも含んでいます。北側は周防灘、南側は豊後水道になっています。瀬戸内海西側ではこの海域まで島があまり多くなく水深もあります。太平洋側から狭い海峡を通らずにも入って来ることができる海域です。
  • 伊予灘の北側の端は祝島と姫島を結ぶ線で周防灘と面しています。南側は佐多岬半島のある豊後水道までです。山口県南部から松山市にかけての海域に島は集中していて、大型船の多くは、八島の南を通って再び北上します。2018年に周防大島と本州を結ぶ橋に貨物船が衝突して断水する事故がありましたが、その貨物船は平郡水道を全部抜けていくのではなく、途中から周防大島の西側を北上して行こうとして橋の下を潜れずに衝突しました。
    伊予灘は比較的広く航路をはずれれば航行船も多くないので四国側の海域では、しまなみ海道周辺で建造されている大型船の試運転にも使用されています。
  • この海域を通る大型フェリーは多く様々な場所を航行しています。周防灘から釣島水道に進む青い線を新門司〜阪神航路や、中国への国際フェリーが通ります。この経路は途中、少し近道になる平郡水道を通るルート(青の点線)もあります。中国への国際フェリーは平郡水道を基本的に通り、名門大洋フェリーや日によっては平郡水道をよく通ります。パンスターフェリーも通ることがありますが、阪九フェリーはあまり通りません(ドック回航ではよく通ります)。緑色の線は松山小倉フェリーでは上記の青い線とほぼ同じ経路です。ごく稀に平郡水道を通ることもありますが、めったにありません。 別府湾からの商船三井さんふらわあ(大分・別府航路)はオレンジ色の線で伊予灘の南側からやってきます。由利島〜青島付近から新門司航路と同じ経路になります。オーシャン東九フェリー(水色)は姫島までは新門司〜阪神航路と同じですが、伊予灘に入ると豊後水道に向けて南下していきます。第二基準航路で瀬戸内を通るときは青い線です。 ここには記載しませんでしたが、普段は太平洋航路の商船三井さんふらわあ志布志航路や宮崎カーフェリーも第2基準航路のときに伊予灘を通ります。オレンジ色の大分・別府航路よりやや南側を通って青島の北側に行きます。
    多くのフェリーが航行するこの海域ですが、いずれの航路も夜間航海となるため、写真があまりありません。
  • 周防灘からやってくると、伊予灘では関門海峡側からの船だけでなく、豊後水道からやってくる船も現れて航行船が多くなってきます。それぞれの場所からやってくるので、みんなが同じ向きではなく様々な角度で走っています。
  • 伊予灘の航路沿いで代表的な島が八島です。この島は伊予灘の航路でのカーブの挑戦にあり、この島を境に北上していきます。夜間フェリーに乗っていても、八島灯台の灯りがよく見えます。
  • 瀬戸内海は、明確に範囲が定められた航路(来島海峡航路や関門航路、備讃瀬戸など)だけでなく、各航路を結ぶ航行船の多いルート沿いに推薦航路があります。推薦航路は中央となるセンターラインだけが引かれていて、そのセンターライン上に紅白のブイが設置されています。この八島の曲がり角には、伊予灘航路第五号灯浮標があります。
    これらのセンターライン上のブイはAISによるバーチャル化も進められていて、2018年にはこの5号ブイを除く一部2,4,6,9号ブイは撤去されました。
  • 島の少ない四国側に背が低く見える島が青島です。行政上は愛媛県大洲市(旧長浜町)に属していて人口は10人未満です。住人は僅かですが、猫が数百匹いることで知られているようです。
  • 青島のさらに沖、航路沿いにあるのが山口県の小水無瀬島(こみなせじま)です。無人島ですが航路に近く存在感があります。普段の生活では知ることがなさそうな小さな島ですが、この海域を通る船の間では目印になるようで、VHFを聞いていると、よく「小水無瀬(こみなせ)の…」と聞こえています。最初はどこなんだろう?と思っていました。
  • 伊予灘の東側、釣島水道近くにあるのが由利島です。行政上の所属は愛媛県松山市で、日本テレビのザ!鉄腕!DASH!!でDASH島として使用されたことでも知られています。