オレンジフェリー「おれんじえひめ」乗船記

大阪南港東予港(愛媛県)
東予港(愛媛県)→大阪南港
乗船時期:
  • 2018年8月に就航したオレンジフェリーの新造船「おれんじ えひめ」に乗船しました。「おれんじ8」の代替船として大阪南港〜東予港に就航し、車両の積載量を増やして大型化したほか、日本のフェリーで初めて全室個室の客室となりました。この航路は瀬戸内海の東半分を航行し距離は300kmもないため中距離フェリーに分類されます。夜行フェリーとしては時間が短めで22時に出港して6時には到着するもので、冬季は日没後の出港で、日の出前に入港します。睡眠不足になりそうですが、出港前の早い時間からの乗船や、到着後も下船せずにゆっくりできるなどのサービスも充実しています。
  • 大阪市内中心部からも約30分でフェリーターミナル駅に到着します。乗船開始となる20時前に到着しました。オレンジフェリーの出港時間は22時と遅いですが、平日は20時から、週末は19:30から乗船することができます。翌朝も早いので、早めに乗船したが睡眠時間を確保できます。

    大阪南港フェリーターミナルについて
  • フェリーターミナル駅からターミナルまでの間の歩道橋には2018年夏の台風での被害と思われる天井に開いた穴がありました。台風では名門大洋フェリーの人道橋に大きな被害がありました。
  • フェリーターミナルに到着すると、1階のチケットカウンターに移動して乗船名簿に記入します。オレンジフェリーはインターネットで予約をしていても記入する必要があり少し面倒です。最近は、インターネット予約すると乗船名簿記入が不要だったり、チケットレスで乗船できるフェリー会社も増えているので将来的には楽になってほしいです。
    乗船名簿の等級は旧「おれんじ7」などの区分でしたので、記入するのに迷いました。「おれんじおおさか」が就航して料金体系が変わると更新されるのでしょうか。
  • 事前決済やチケットレスがないこともあってチケットカウンターは少し混みますが、そんなに長くは待たずに購入できます。往復の場合は帰りの乗船券までまとめて購入できます。
  • チケットを購入すると20時を過ぎているのですぐに乗船できます。大阪南港では今まですべてのフェリーが船首付けで前からの姿が見えていましたが、今回就航した「おれんじ えひめ」は船尾付けになりお尻が見えています。
    また、いままで(「おれんじ8」など)は、岸壁から階段を使っての乗船でしたが、フェリーターミナルから直接通路が繋がって階段なくバリアフリーで乗船できます。チケットカウンターに行く必要がなければ、フェリーターミナル駅から階段はありません。
  • 船内に入ると3層吹き抜けのエントランスホールがあります。ここがフェリーの中心になります。
  • 「おれんじ えひめ」の船内図です。旅客デッキは4F〜6Fの3層で、乗船口は4Fにあります。客室は4Fと5Fの前方(図右側)にすべてあります。シングルが窓のない内部屋で、それ以外が窓のある外側に配置されています。バリアフリー対応客室はすべての等級が4Fに設置されています。4Fと5Fの後方はレストランや展望バスルームなどのパブリックスペースです。最上階の6Fはスカイラウンジと外に出てデッキがあります。
  • 乗船するとまず、シングル以外の客室の場合は、エントランスホールにある案内所で部屋の鍵をもらいます。シングルの場合は鍵がありません(個室ですが、内側からかけられる鍵のみで外から鍵をかけられません)。シングル以外は部屋の鍵があります。今回(大阪南港→東予)は、デラックスシングルにしました。
  • 客室に繋がる通路の横に、部屋番号がどこなのか分かる大きな図があります。通路は広く車椅子やベビーカーでも余裕があります。
  • 船内の通路には、愛媛に関係した写真が飾られていました。もしかしたら「おれんじ おおさか」では大阪の写真になるのかもしれません。
  • 今回利用したデラックスシングルの客室です。長時間航海する航路にあるような、シャワーやトイレはありませんが、窓のある広い1名用の客室です。新しく始まった自転車をそのまま乗船させることができるサービスでも、この広いスペースに置いておくことができます。
    通常の客室で申し込んでいますが、空室状況によって割当が変わるようで、今回はバリアフリー対応客室になりました。バリアフリー対応客室のため手すりなどが設置されています。本船は、多くのバリアフリー客室を設置していて、デラックスシングルは一般49室、バリアフリー9室で約15%がバリアフリー対応客室です。
  • デスクと洗面台があります。バリアフリー対応のため洗面台が低めで自動式になっています。通常客室ではもう少し高く手動になっているようです。
    コンセントはベッド横のほか、デスク、洗面台横、テレビの裏の4ヶ所あります。
  • ベッド幅は100cmで古いフェリーより広く、ベッドのスイッチで部屋の電気は制御できます。
  • エアコンも個別に制御できるタイプです。
  • クローゼットとアメニティ。
  • バリアフリー客室では非常ボタンも入口付近にあります。
  • 本船はバリアフリー対応が大変進んだ船でした。バリアフリー対応の客室が全等級あって数も豊富なだけでなく、その周辺にはバリアフリー対応のお風呂やトイレもあります。また、車椅子の固定ができる場所もありました。夜行フェリーなのでここで長時間固定することはないとは思いますが。
  • 夜遅くに出港する本航路ですが、レストランもあります。出港2時間前の20時に乗船開始になったあと、出港前に食事をすることができます。今回は食事を済ませてから港に移動しましたので船内では食事をしませんでした。
  • 本船の大きな特徴として、大型の長距離フェリーではほぼある売店が船内にありません。レストランがないことはあっても売店があることが多いのですが、本船はレストランがあって売店がありません。これは航海時間の短さ(22時出港〜6時入港)から寝ている時間が大半になることがあるようです。代わりに自動販売機がありますが、日用品を売っているのは右端の1台だけです。4Fの自動販売機は案内所の裏にあります。
  • お菓子類のほかは、小さなタオルがあるぐらいです。上の5Fにも同様の自動販売機がありこちらにはもう少し大きめのタオルもありました。
    船内では飲み物以外はあまり入手できませんので、乗船前に街の中で購入しておくようにしましょう。大阪南港であれば、ターミナルから少し歩いたところにセブンイレブンがあります。東予港は周辺にはありません。
    大阪南港フェリーターミナル
    東予港オレンジフェリーターミナル
  • 自動販売機の右側にはコーヒーメーカーと、セキュリティボックスがあります。本船は全室個室ですが、「シングル」だけは外から鍵がかけられません。そのため部屋を離れるときの貴重品管理が必要です。そのためか全室個室でもセキュリティボックスが用意されています。