日本で新造され就航した大型フェリーの多くは、20年前後で次の新造船が就航し引退します。性能が高い日本のフェリーは、引退後すぐにスクラップになることなく、多くは海外に売られ第2、第3の人生を歩みます。
その後の人生は船によって様々。大幅に改造され元の姿が分からない船、カラーリングまでそっくりそのまま使われる船。同じ航路に長く就航できる船もあれば、様々な国を点々としたり、厳しい環境で事故や故障により廃船になる船もあります。日本に就航していた大型フェリーのごく一部のその後をまとめました。
- 9202833「おれんじ8」1999〜2018年
- 「NEW STAR」(韓国)
韓国の釜山〜済州島航路に就航中(2020年11月現在)。船体のカモメのマークは残したままになっている。
・日本で現役時代の「おれんじ8」の詳細
- 9184574「さんふらわあさっぽろ」1998〜2017年
- 「QUEEN MARY」(韓国)
外見上の大きな変化はなく、2020年11月現在、韓国の木浦〜済州島航路に就航中
・日本で現役時代の「さんふらわあさっぽろ」の詳細
- 9178599「さんふらわあつくば」1998〜2006年
- 「ELYROS」(ギリシャ)
船首部分には面影があるが、船体中央〜後方を増築するなど大きく改造されている。ギリシャ国内航路就航。
- 9162150「さんふらわあくろしお」1997〜2001年
- 「PANSTAR DREAM」(韓国船籍)釜山〜大阪
引退後一時的にエンジントラブルの代船として神戸〜別府にも一時就航。
- 9154074「おーしゃんさうす」1996〜2016年
- 「MUTIARA FERINDO I」(インドネシア)
2020年11月現在、インドネシア国内航路に就航中。船尾デッキに三角屋根の小屋のようなものが増築されている。
・日本で現役時代の「おーしゃんさうす」の詳細
- 9150353「おがさわら丸」1997〜2016年
- 「ANGRIYA」(インド)
解体されるとの情報もあるなかでインドに回航され、長く係船された状態だったが、約2年後の2018年から、インド西岸のムンバイとゴアを結ぶ航路に就航している。船首のクレーンは撤去されデッキが新設されて、インドで初めてのクルーズ船とされている。
・日本で現役時代の「おがさわら丸」の詳細
- 9145047「れいんぼうらぶ」1997〜2001年
- 「NEW GOLDEN BRIDGE V」(パナマ船籍)青島(中国)〜仁川(韓国)
九越フェリー時代に近いカラーリング。長くこの航路に就航している。
- 9135262「フェリーひむか」1996〜2001年
- 「ARIADNE」(ギリシャ船籍)イタリア国内航路
船体後方を増築していて、大きなファンネルや船首以外の面影は少なくなっている。
- 9135250「クルーズフェリー飛龍21」1996〜2014年
- 「BIRYONG」(パナマ船籍) 大連(中国)〜仁川(韓国)航路
大仁フェリー(Dain Ferry)での運航。外見上の大きな改造はないが、船尾の大型クレーンは撤去され船尾デッキは使用されていない模様。
・日本で現役時代の「クルーズフェリー飛龍21」の詳細
- 9117363「フェリーせっつ」1996〜2015年
- 「SANTA LUCINO」(韓国)
済州島〜木浦航路に大きな改造なく就航しているが、新型コロナウイルスの影響か2020年11月現在、木浦に係留中。
・日本で現役時代の「フェリーせっつ」の詳細
- 9117351「フェリーすおう」1995〜2015年
- 「HANIL GOLDSTELLA」韓国
・日本で現役時代の「フェリーすおう」の詳細
- 9116278「すいせん」1996〜2012年
- 「HANCHANG GANGWON」(韓国で係船中?)
引退後に就航することなくIHI相生(兵庫県)にて長期係船されていたが、2019年にデッドシップ状態で韓国に曳航。韓国とロシア・日本の航路に就航するという情報や、北朝鮮航路に就航させる計画という情報など様々な報道があるが、航行できない状態で曳航されたこともあり、実現可能性含め不透明。
- 9116266「すずらん」1996〜2012年
- 「はくおう」(日本)
基本はIHI相生に係船され、自衛隊輸送を中心に活動
- 9112246「クルーズフェリー飛龍」1995〜2008年
- 「ORIENTAL PEARL 6」(パナマ船籍) 仁川(韓国)〜丹東(中国)
北朝鮮の沿岸を南北に進む丹東(中国)と仁川(韓国)を結ぶ航路
その後の人生は船によって様々。大幅に改造され元の姿が分からない船、カラーリングまでそっくりそのまま使われる船。同じ航路に長く就航できる船もあれば、様々な国を点々としたり、厳しい環境で事故や故障により廃船になる船もあります。日本に就航していた大型フェリーのごく一部のその後をまとめました。