日本で新造され就航した大型フェリーの多くは、20年前後で次の新造船が就航し引退します。性能が高い日本のフェリーは、引退後すぐにスクラップになることなく、多くは海外に売られ第2、第3の人生を歩みます。
その後の人生は船によって様々。大幅に改造され元の姿が分からない船、カラーリングまでそっくりそのまま使われる船。同じ航路に長く就航できる船もあれば、様々な国を点々としたり、厳しい環境で事故や故障により廃船になる船もあります。日本に就航していた大型フェリーのごく一部のその後をまとめました。
- 8819158「おれんじえーす」1989〜2005年 【廃船】
- 2019年7月廃船
韓国Gunsanと中国Shidaoを結ぶ航路に「SHIDAO」として就航していたが、2019年7月ににパキスタンのガダニに回航された。船舶解体が行われているエリアで廃船になったと思われる。
- 8815073「きたかみ」1989〜2019年 【廃船】
- 2019年2月廃船
日本での引退後、海外航路に就航することなくインドで廃船となった。
- 8806840「しゃとる よこすか(さんふらわあ えりも)」1989〜2004年 【廃船】
- 2019年廃船
韓国船籍で中国〜韓国に就航していたが2016年頃からの動静不明。その後、2019年に廃船となった模様。
- 8800755「フェリーふくおか」1989〜2002年
- 「ST. THERESE OF CHILD JESUS」(フィリピン)
2002年〜2007年は「Superferry 16」としてフィリピン、その後「Queen Qingdao」「NEW BLUE OCEAN」と名前を変えて、一時期は新潟・ロシア・韓国航路に就航するなどしたが、フィリピンに戻って国内航路に就航している。2020年11月現在も現役で活躍中。
- 8800743「フェリーきょうと」1989〜2002年 【廃船】
- 2017年5月廃船
2002〜2007年は「Superferry 15」としてフィリピン、2015年頃から韓国の光陽付近で「C K STAR」の船名で係船され、2017年5月にバングラデシュに回航され解体された。
- 8705319「フェリーむろと」1987〜2001年
- 「AL SALMY 1」(アラブ首長国連邦船籍)係船?
日本で引退後は長く韓国の航路で活動していたが、2018年に中東に移動し、2020年6月現在、ドバイ付近で係船されている模様。
- 8700448「フェリーはやとも2」1987〜2024年 【廃船】
- 2024年9月廃船
就航後、小倉〜松山航路に30年以上就航。2024年7月1日の松山到着で引退。バングラデシュ・チッタゴンに回航され、2024年9月4日に解体場にビーチングし解体になる模様
- 8618152「ニューせと」1988〜2003年 【廃船】
- 2017年8月廃船
引退直後は「Superferry 18」としてフィリピンに。その後「HUADONG PEARL VI」として韓国〜中国航路に就航。船尾付近を増築していた。2017年にバングラデシュで解体された模様。
- 8618140「ニューはりま」1988〜2003年 【廃船】
- 2014年廃船
引退直後「Superferry 17」としてフィリピンで活躍したのち、2007年に「Huadong Pearl III」となる(韓国?)、その後2008年に「ISABEL DEL MAR」となりスペインに。2014年までに解体された。
- 8616336「ばるな」1987〜1999年
- 「BLUE HORIZON」(ギリシャ)
下半分を青色にした綺麗な塗装をし2020年現在も現役でギリシャ国内航路で活躍中。船内も綺麗に整備されている模様。
- 8814263「びくとり」1989〜1998年 【廃船】
- 2018年廃船
「CARIBBEAN FANTASY」時代の2016年にプエルトリコ付近でエンジンルームから火災が発生し、全損となり2018年に解体された。
- 8613073「しゃとるおおいた」(さんふらわあ おおあらい)1987〜2004年 【廃船】
- 2013年に廃船
「COLOSSUS」(マルタ船籍)。ギリシャで座礁事故を起こし、その影響かは不明だが2013年に解体された模様。
- 8604333「フェリーダイヤモンド」1986〜2007年
- 「PORT LINK III」(インドネシア)
2007年に日本で引退後「China Diamond」や「Sechang Cordelia」の船名で韓国で活躍。2013年に現在の船名になり、2020年現在もインドネシアのスンダ海峡で近距離航路として活躍中。
・日本で現役時代の詳細
- 8604345「クイーンダイヤモンド」1986〜2003年
- 「MED STAR」(モロッコ)
「New Sea World Express Ferry」の船名で韓国で就航したあと、「PRINCESS T」などの船名でギリシャで就航。かなり大規模な改造を行っていて、日本にいた当時の面影はなく、見た目では同じ船と気づけ無いような状態。唯一ファンネルの構造だけが「クイーンダイヤモンド」の特徴がある。全長も延長されている模様。ジブラルタル海峡付近の航路に就航中
・日本で現役時代の詳細
- 8604278「ニューしらゆり」1987年〜2003年 【廃船】
- 2016年6月廃船
新日本海フェリーを引退後は「UTOPIA2」として下関〜上海航路に就航。その後相生で係船される。2016年にインドで解体されたと思われる。最後の回航時の船名は「TOP」
- 8604266「ニューはまなす」1987〜2002年【廃船】
- 2018年4月廃船
引退後はオリエントフェリー「UTOPIA」として下関〜青島に2002年より就航していたが、2015年末での航路廃止により引退。相生に係船されていたが、2018年にインドに回航され解体された。
その後の人生は船によって様々。大幅に改造され元の姿が分からない船、カラーリングまでそっくりそのまま使われる船。同じ航路に長く就航できる船もあれば、様々な国を点々としたり、厳しい環境で事故や故障により廃船になる船もあります。日本に就航していた大型フェリーのごく一部のその後をまとめました。