「SILJA SERENADE」
ストックホルム(スウェーデン)〜オークランド諸島〜ヘルシンキ(フィンランド)乗船時期:2018年9月
- プロムナードの後方エレベーター付近には内側の客室の窓がない黒い壁の部分があります。この部分には船底にあるエンジンからファンネルへの排気管が通っているようです。ファンネルは1本ですので船体の中央にありますが、その下にはプロムナードがあります。配管は左右に別れて下に下りているようでした。
- 定刻の16:30少し前に、本船はフェリーターミナルを離岸しました。バックしながら反時計回りに回頭して出港します。岸壁の角は丸くなっています。早めに乗船していましたが、船内を散策しているうちに出港時間になり、離岸の瞬間は見逃してしまいました。
- 隣にはストックホルムからリガに向かう「Romantika」(194m)がいます。本船には大きなバルバスバウが見え、バウドアは観音式のようです。「Romantika」は本船の15分後の17時出港で、すぐ後ろで離岸して付いてきました。連続の出港となるのは、ストックホルムから外洋に出るには、狭い海域を長く航行しないといけないため、反航船とのすれ違いポイントが制限され、タイミングを合わせて連続してすれ違わせるためのようです。
- ターミナルの近くには、世界初のLNG燃料の大型フェリー「VIKING GRACE」にLNG燃料を供給するために改造して作られたバンカー船「SEAGAS」がいました。この船自体もフェリーを改造して作られたそうで形が変わっています。
- 出港してまもなく本船と同じシリアラインの「Galaxy」(48,915GT 212m)とすれ違いました。船体には空が描かれた大胆なデザインです。他にも大胆に絵を描かれた船をたくさん見ました。
この場所は島を挟んですれ違いが可能になっているポイントです。「SILJA SERENADE」は旧シリアラインの運航で、タリンクに買収された後もタリンク・シリアラインとしてシリアラインブランドで運航していて、ファンネルマークはアザラシになっています。「Galaxy」の船体もシリアラインの文字ですが、ファンネルマークはタリンクのものになっています。
- このあたりの海域は、航行船はあまり多くなく、貨物船はほぼいません。航行しているのは数万トンクラスの大型フェリーと、島の間の小型フェリー(対岸まで渡すぐらいの両頭フェリー)、あとはプレジャーボートしか見かけません。貨物船がほぼいないというのが新鮮です。
- たくさんの島がある海域を航行していますので、時々びっくりするぐらい細い場所を通ります。写真中央の隙間を通ります。島の間の距離でも200mなく、そこを斜めに通ります。可航幅は100mあるかどうか・・・。このような島が多く狭い海域を何時間も航行します。瀬戸内海以上に大変そうです。
- 大きく左にカーブするところで、反航のVIKING LINE「AMORELLA」(34,384GT 169m)がやってきました。本船はフィンランドのトゥルクとストックホルムを結んでいます。1988年建造でちょっと古い印象が窓の形からも感じます。
- 対岸に渡るだけの小さな両頭フェリーですが、膨張式救命筏が積まれているのがわかります。日本の基準だと積む必要はなさそうですが、ここでは短距離のフェリーでも必要なようです。救命設備は豊富ですが、窓のある客室のようなものは見当たりません。ブリッジ下の部分にあるのでしょうか。
- 出港時には閉店していた大きな免税店がオープンしていました。プロムナードの下の6デッキに広いスペースがあります。小さな売店という大きさではなく小型のスーパーのような広さです。
免税店を営業するには国際航路である必要がありますが、EUに加盟して国内航路扱いになってしまったため、免税店を維持する目的で途中のオーランド諸島のマリエハムン(フィンランドで自治権が与えられた島)に寄港します。
- ジュース類まで豊富にあります。この免税店が、旅客が多く旅客設備を豊富にしてフェリーの乗船料を下げることができる1つの理由のようです。スウェーデンでは消費税は25%ですし酒税も高いですので、免税店で買うと違いが分かるほど安くなります。そのため、お酒を大量に買う目的で本船に乗船している人たちもいるようです。実際にビールの箱を5ケースぐらい山積みしている人もちらほら見かけました。どうやって持って帰るのだろう?と思いましたが、車輪付きのキャリーケースで持って帰ってました。
この免税店、普通にミネラルウォーターも1本から売っていて、水の500mlペットボトルでも船内の通常売店は2€(266円)ですが、免税店に行けば1.6€(213円)になってました。