「SILJA SERENADE」
ストックホルム(スウェーデン)〜オークランド諸島〜ヘルシンキ(フィンランド)乗船時期:2018年9月
- スウェーデンのストックホルムからフィンランドのヘルシンキまでの長距離フェリー「SILJA SERENADE」(58,377GT 203m×31.5m 旅客定員2852名 1990年建造)に往復で乗船しました。本船はフェリーでありながら、旅客設備が豊富でクルーズ要素が多くなっています。バルト海の長距離フェリー(1泊程度)はどれも豪華な船内で、クルーズとして売りに出しています。バルト海には、世界初の大型LNGフェリー「VIKING GRACE」も就航しているなど先進的なものも多くなっています。
物価が高い(感覚的には日本の2〜3倍)北欧ですが、いわゆる弾丸フェリー(現地泊なしの2泊3日)をやれば、窓ありの客室でも往復で1万円弱との安さになります。移動せずにホテルに泊まっているより安い価格です。
- ストックホルムでのTALLINK SILJA LINEのフェリーターミナルは中心部から北東に3kmほどの場所にあります。観光地になっているGAMLA STANから見ている南側にあるのはVIKING LINEのターミナルです。フェリーターミナルへのアクセス方法は、ストックホルム中央駅にあるシティターミナルから連絡バス(60SEK:約750円)が運航されています。このバスに乗らなくても、地下鉄で最寄り駅Gärdetまでストックホルム中央駅に隣接したT-Centralen駅から「13番」で3駅5分の近さです。地下鉄は統一料金ですので市内どこからバスなどを使っても同じ料金です。1回券で44SEK(約550円)、SLアクセスカードであれば31SEK(約385円)と市内どこから行っても安くなります。Gärdetからは870mほどありますが、便も頻繁にあるので、中央駅から直行しない場合はこちらがいいと思います。
早めにフェリーターミナルに行ってターミナルやフェリーを見たかったので出港3時間前に今回は行きました。ホームにもフェリーターミナルの方向の案内があり、たしか前方方向の出口だったと思います。
- Gärdet駅からフェリーターミナルまで870mほどあります。駅を出て通りに出たら、左に曲がり坂道を下ります。さらに大通りの突き当りにでたら右に曲がってすぐの公園の中を横切ると歩道橋がありフェリーターミナルまで繋がっています。途中歩道橋は分岐していて、フェリーターミナルに行くには左に曲がらないといけませんのでご注意ください(表示はあるので見落とさないように)。
- 公園から歩道橋に進むとフェリーの大きな船体が見えます。この写真撮影した場所は、歩道橋の分岐(真っ直ぐと左)を少し通り過ぎてまっすぐ行った場所から撮っています。フェリーターミナルに行くには左ですのでこの景色の手前から左に曲がります。(写真手前のフェリーバースは使われていないようです。)
- 歩道橋の多くは屋根や窓がある室内になっていますが(おそらく冬季に寒いので)、フェリーターミナルの直前だけ屋外になっています。このあたりは旧フェリーターミナルの跡地を通っているようで、今後何らかの工事が行われて少し変わるかもしれないと思います。
- ターミナルはシンプルですが、広く余裕があります。基本的な設備は1フロアにまとまっています。ターミナルの中央付近で目立つのが自動チェックイン機です。ネット予約をしていた場合などここで簡単に乗船券を発行できます。
- 言語は英語を含めて6言語に対応しています。日本から予約した場合は通常は右側で予約番号とセキュリティコードを入力するだけで発行されます。事前にクレジットカードでの決済をしていますので、ここでの支払いはありません。キャッシュレス化が進んでいますので、標準がクレジットカードなどで現金の投入口は無いことが多いです。
乗船券はカードキーにもなっています。往復クルーズの場合は、帰りの便のチケットでもあるので無くさないようにしないといけません。乗船券にはQRコードがあり、乗船口やレストランの手続きもこのQRコードで行われます。
- 乗船口です。自動ゲートになっていて、乗船券のQRコードをかざすと開きます。乗船のときにはスタッフが近くにいます。面白いのは、このターミナルからヘルシンキ行だけでなく、3箇所にほぼ同時出港しますが、乗船ゲートはこの1箇所だけです。ここを通過してから、行き先別に通路を進みます。
- ターミナル内には、ちょっとしたレストランのようなカフェがあります。ここで飲み物なども売っていますが、売店のような場所はありません。必要なものは事前に購入しておいたがいいです。(地下鉄の駅にはコンビニはありました)
- コインロッカーもあります。小型の方で4時間60SEK(約745円)、1日70SEK(約870円)です。ここもクレジットカードで支払いできます。このときで使用率は4割ぐらいでしょうか(取っ手が縦向きなのが使用中)。ヘルシンキ側にもコインロッカーはありますが、ヘルシンキは硬貨(ユーロ)のみでした。
- ATMもありますので、国際対応のカードであれば現金を引き出すことも可能です。街なかの道路にあるものより安全そうですが、スウェーデンであれば現金はあまり使うことはないかと思います。誰も利用していません。
- 埠頭内には、日本のフェリーターミナルと同じようにトレーラーの後ろの部分だけが並んでいます。日本と違うのは屋根まであるコンテナ型のトレーラーばかりというところです。デザインもどれも似ています。手前には、バスの乗降場所があり、駐車スペースの間に歩道もあります。
- 16:30出港の1時間弱前の15:15から乗船開始です。ヘルシンキ行だけでなく、すべての便が同時に乗船開始になります。開始直前には列ができますが、客室は決まっていて早く行ってもメリットはないので、混雑が減ってからの乗船でいいと思います。右側がエストニアのタリン行、左側がフィンランドのヘルシンキとラトビアのリガ行です。
- ヘルシンキ行の場合、乗船口付近で全員の写真を撮られます。セキュリティではなく、夜に販売される記念写真のためのものです。
乗船口の人道橋は広く4人で並んで乗船しても余裕があります。ベビーカーや車椅子でも余裕があります。
- 本船で乗船口からすべての場所へのハブになるのがプロムナードですが、乗船口正面のディスプレイには、客室番号別の行き先が矢印で表示されています。これを見て、乗客は右側(船首側)か左側のそれぞれのエレベーターに向かいます。
- エレベーターの数は多く、船首側に0〜4,10の6台、船尾側に5〜9,11の6台の計12台があります。部屋への移動方法がわかりやすいようにエレベーター番号がわかりやすく書いています。メインとなる7デッキから11デッキまで5層吹き抜けになっていて、右舷と左舷の間の移動は制限されますので、どっち側なのか意識して乗る必要があります。8デッキだけは右舷と左舷の移動ができませんが、9デッキより上は渡り廊下のようになっています。
- 一番下のデッキ2の客室(クラスC)からデッキ★まで12階建てになっています。一番下のデッキ2は海面付近で、デッキ3〜4の車両甲板より低い場所です。日本では客室が作られるような場所ではなく、安全上を考えてもあまりおすすめはできない場所です。移動もメインのエレベーターは使えず、両サイドにあるエレベーターのみで行来できます。
写真の図で水色に塗られたエリアはパブリックスペースで、メインとなるデッキ7とその下のデッキ6,デッキ5の一部。最上階のデッキ12とデッキ★になります。それ以外は客室フロアです。