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関門海峡に面した山口県下関市と韓国第2の都市釜山を結ぶ関釜フェリーに乗船しました。国際航路としては歴史が長く、1905年の関釜連絡船から100年以上の歴史があり、関釜フェリーとしては1970年の就航から50年近くの歴史があります。日本側の関釜フェリーと韓国側の釜関フェリーが1隻づつのフェリーを所有し共同運航していて、今回乗船した「SEONG HEE」は韓国側の運航船です。毎日交互に運航していますので、好きな方の船を選ぶこともできます。
下関と釜山は直線距離で200km弱しかなく、夜行航路としては短いものの、出入国管理手続きの関係で、夕方には乗船し朝下船となり、国内航路よりゆっくりと航行するだけでなく、乗船してから出港までや着岸してから下船までに数時間の時間があります。早く港に到着して沖に停泊することもあります。
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JR下関駅から徒歩5分弱。駅からそのまま歩道橋でアクセスできるアクセスがいい場所に下関港国際ターミナルがあります。車などを載せない旅客だけの場合、18:30が乗船手続きの〆切になります。18時過ぎにターミナルに到着しました。
ターミナルの設備については下関港国際ターミナルのページで紹介しています。
- 国内のフェリーでは乗船名簿は1団体1枚で代表者が詳細を書けばいいですが、関釜フェリーの乗船申請書は、1人1枚の形式になっていて、人数分記入しました。入国カードで書かされるような現地滞在先の入力欄もあります。この申請書とパスポートを窓口に出して料金を支払います。
- 窓口と同じ2階の写真奥が出国ゲートへの入口です。出国ゲートは18:30からオープンし手続き開始でした。この時間、ゲート前には沢山の人が列を作って待っています。以前、昼間にターミナルに来たときも場所取りをしているようでした。2等の場合は自由席でしょうか。この並んでいる人の列、よく見ると一番右1列が「一般」と書かれ、残りの左側ほとんどは「団体」と書かれた入口への列です。多くが団体の客のようです。ターミナル内には床に座っている人も多く文化の違いを感じます。
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出国審査のゲートは3つありすぐに通過できます。国際航路のフェリーに乗るときの楽しみの1つは、飛行機の旅では押されないスタンプがイミグレで押されることです。ここ、下関港から出入国するときのスタンプは「KANMON(関門)」になります。港の正式名称である関門港のスタンプです。
これは他の港でも同じで、博多港なら「HAKATA」(空港ならFUKUOKA A.P.)、大阪港なら「OSAKA」(空港ならKANSAI)となります。右側は以前、下関港から入国したときのもの
※画像は一部加工しています。
- 客室は3層の構造になっています。1階は、すべて2等室で定員404名と最近の国内のフェリーではないぐらいの2等率の高さになっています。2階は1等洋室。3階はスイート、デラックスと1等(和)になっています。
- 写真左側がロッカーで、中に布団が入っています。幅60cmほどの狭いマットと掛ふとん、シーツがあります。1人あたりの狭いサイズには驚きました。国内フェリーではあまり見かけなくなったぐらいのサイズです。テレビは下関港入港中から、日韓両方の番組がセットされています。
- 部屋にはシャワーとトイレがあります。1等でもシャワーがあるのはありがたいです。トイレは、飛行機にあるような吸引式のもので、流すと大きな音を立てて吸い込まれます。日本のフェリーでは見かけない方式に思います。「SEONG HEE」は韓国で建造され、船内の調度品も韓国側になっています。
- 本船の船内電源は日本式Aプラグの110Vと韓国式Cプラグ220Vとの2種類があります。Aプラグは日本と形状が同じですが電圧は10V高くなっています。多くの電化製品は対応しているので大丈夫かと思います。
- 乗船した1等和室の客室のエアコンは、客室でボタンで制御できるタイプでなく、天井にあるエアコンの吹き出し口を絞って風量を調整できるだけの旧式のものでした。このタイプ、絞れば風量を0にもできるはずなのですが、今回乗船した客室は絞っても風量を弱くすることしかできず、夏でしたが寒い客室になりました。夏でも暖かくできる用意は必要です。