瀬戸内海のエスコートボート
「おおとり」「海洋」「ぎんが」「シリウス」「東洋」「ないかいⅡ」「ゆきかぜ」
狭い瀬戸内海では、海上交通安全法で定義された、来島海峡・備讃瀬戸・明石海峡を航行する巨大船や大型タンカーは、進路を警戒するエスコートボートを配置しています。エスコート作業は、指定を受けたタグボートも行いますが、速度の速い船や明石海峡を通過する船を中心に専門のエスコートボートが行います。そのため、明石海峡周辺に多くのエスコートボートが配置されています。大阪湾や備讃瀬戸中心ですが、ときに伊予灘まで行くこともあり、東西300kmのエリアで活動するのも特徴です。
- 「おおとり」(Ootori)
総トン数:70トン
速力:25kt
常駐港:水島港(岡山県)
竣工年:1999年
MMSI 431301432
運航:内海曳船
2007年から水島港常駐して、主に備讃瀬戸での大型タンカーのエスコート業務を行っています。播磨灘〜明石海峡のエスコートを行うこともあります。広島湾のほか、ごくまれに山口県柳井港に入港するLNGタンカーの伊予灘でのエスコート業務も行う活動範囲の広いエスコートボートです。 - 2014年5月(備讃瀬戸)
- 「海洋」(KAIYO)
総トン数:75トン
速力:26kt
常駐港:神戸港
竣工年:2012年
MMSI 431000747
運航:三洋海事・日本海事興業
「海洋」2012年に畑山造船で建造されたエスコートボートです。「東洋」とともに神戸空港に常駐していて、「東洋」は三洋海事と日東タグ共同ですが、本船は三洋海事と日本海事興業のの共用のようです。明石海峡を中心に、大阪湾内や備讃瀬戸でのエスコートを行うこともあります。
2022年6月(明石海峡)- 「ぎんが」(GINGA)
総トン数:78トン
速力:25kt
常駐港:長田港(兵庫県神戸市)
竣工年:2003年
MMSI 431301704
運航:日本栄船
商船三井系の日本栄船のエスコートボートです。日本栄船は2隻のエスコートボートを明石海峡周辺に配置していますが、常駐場所は異なっていて、本船は長田港です。明石海峡や友ヶ島水道〜泉北・姫路へのLNGタンカーのエスコートを主に行なっています。
2022年6月(明石海峡)- 「シリウス」(SIRIUS)
総トン数:72トン
速力:22kt
常駐港:神戸港
竣工年:2008年
MMSI 431000347
運航:日本栄船
日本栄船のタグ「ふぁるこん」から始まった流れで船体には船名にちなんだロゴが描かれています。他のエスコートボートより大きく、117トンあります。明石海峡の巨大船のほか、友ヶ島水道から泉北や姫路へのLNGタンカーのエスコートを主に行い、まれに備讃瀬戸まで行くこともあるようです。瀬戸内海全域でのエスコート許可を持っています。
2022年4月(神戸港)- 「東洋」(TOYO)
総トン数:117トン
速力:22kt
常駐港:神戸港
竣工年:2008年
MMSI 431000747
運航:三洋海事・日東タグ
「東洋」は2008年8月に畑山造船で竣工したエスコートボートです。三洋海事・日東タグ共同のエスコートボートのようです。主に明石海峡〜備讃瀬戸エリアのエスコートをやっています。
2014年5月(備讃瀬戸)- 「ないかいⅡ」(Naikai 2)
総トン数:75トン
速力:25kt
常駐港:長田港(兵庫県神戸市)
竣工年:2007年
MMSI 431000283
運航:内海曳船
内海曳船が運航するエスコートボートで、常駐場所にも近い明石海峡・大阪湾を活動場所とし、主に泉北や姫路に入港するLNGタンカーの友ヶ島水道から港までのエスコートを行っています。たまに、備讃瀬戸エリアのエスコートまで出張することもあります。
写真提供:第二ななしまさん (尾道港)- 「ゆきかぜ」(YUKIKAZE)
総トン数:28トン
速力:25t
常駐港:福山港(広島)
竣工年:2020年
MMSI 431016143
運航:JFE福山ポートサービス
JFEのグループ会社のJFE福山ポートサービスのエスコートボートで、社名の通り福山港のJFEスチールの製鉄所に出入りするバルカーを中心に来島海峡と備讃瀬戸でエスコートしています。バルカーのエスコートが任務のため、タンカーで必要な消防設備はなく許可表示も消防設備の「B」はなくA・C(進路警戒・側方警戒)になっています。 瀬戸内クラフトで2020年に建造された船です。
同一船名のエスコートボートが東京湾にもいますが、本船は瀬戸内海の方です。
2024年2月(来島海峡)