色々な客室や乗用車の料金がある夜行フェリーの料金の計算方法を説明します。シンプルなので一度分かれば簡単です。一部異なるルールを設けている会社がありますが、基本的にはここに掲載した計算方法になっています。
  • 「旅客運賃」「車両運賃」がある

    料金は大きく分けて「旅客運賃」と「車両運賃」の2種類があります。「旅客運賃」は客室利用料を含めた乗客の運賃です。「車両運賃」は乗用車やバイクの積載料金です。詳しくは乗用車の運賃の欄に書きますが「車両運賃」には運転手(1名)の2等料金がセットになっていることが多いです。
  • 「旅客運賃」は等級別に1人当たりの料金

    フェリーの客室の等級(クラス)は客室の等級の選び方に書いていますが、相部屋と個室があります。雑魚寝の相部屋になる2等クラスが一番安く、個室になると高くなります。料金は1人の料金です(2人部屋では2人で✕2になります)。
  • 個室を利用する時は定員に注意

    個室の場合、個室には旅客定員があり、その人数で利用することが前提の料金です。旅客定員に満たない場合は、貸切料金(1人の50%)が別途かかります。定員以上で使用することはできません。一部の船会社では、貸切料金無しで利用できるプランがあることもあります。また、貸切料金無しで利用できても、その場合は相部屋になることがある(誰がが余ったベッドに来る)ことがあるものもあります。ごく一部の高級な客室では、1部屋辺りのルームチャージがかかることもあります。

    小児・乳幼児の場合の計算方法は子連れの料金の説明をご覧ください。
  • グループは全員同じ客室になる?

    個室の場合は、全員同じ部屋になります。相部屋の場合、基本的には同じ部屋になりますが、混雑時など必ずしも同じ部屋にはなりません。フェリー会社によって対応が異なりますので、心配な場合は個別に問い合わせたがいいです(予約時に客室を割り振っている場合、柔軟に対応してくれる会社もあります)。 個室のように見える少人数の部屋でも、相部屋であれば別部屋になる可能性がありますので、公式サイトの注意書きをご確認ください。。一部の国際航路など、相部屋で男女が混ざらないようにしているときは、同一の部屋にならないようになっています。
  • 乗用車の料金は全長で決まる

    乗用車の料金は、車の長さで決まります。通常1m単位で料金が決まっていて、車検証に書かれた全長で決まります。そのため、チケットの購入時に車検証の提示が必要です。 乗用車の料金には運転者1名の旅客運賃が含まれています。もし個室など上の等級を使う場合は、2等運賃との差額のみ支払う必要があります。

    例えば、車が15,000円で、2等が5,000円、1等が8,000円の場合、車に1人で乗って1等客室を利用した場合は、車の1,5000円と1等と2等の差額3,000円の旅客運賃の合計1,8000円になります。
  • バイクの運賃は排気量で決まる

    バイクの運賃は、排気量で分けられています。多くは「原付」「125cc未満」「125〜750cc」「750cc以上」に分かれています。
    バイクの運賃には乗用車と違い運転者の旅客料金が含まれていません。2等の場合でもバイクの料金とは別途、旅客運賃が必要になります。
  • 自転車は輪行したが安い

    自転車の場合、車輪が付いた状態でそのまま車のように積み込むと自転車の料金がかかります。自転車の運賃には運転者の旅客料金が含まれていません。車輪を外し袋に入れて輪行にすると、受託手荷物料金になり安くなることが多いです。ただし、袋に入れた自転車は一緒に持って乗船する必要があります。
    例えば、大阪〜北九州の阪九フェリーの通常期間で、そのままの自転車は1640円、受託手荷物(サイズ・重量に制限あり)にした場合は510円になります。一部の航路(自転車利用の多い愛媛〜大阪のオレンジフェリー)では、輪行袋での乗船の自転車は無料になっています。
  • 小学生連れの料金

    小学生は大人の半額の小児料金で利用できます。飛行機では大人の正規料金の半額のため割引を受けられず割高ですが、フェリーでは大人と同じ割引を受けることができますので、飛行機と比べても割安になります。添い寝はできませんので、個室の場合は1名分の寝るスペースが必要です。フェリーの個室の構成で3名部屋はあまり多くありませんので、大人2人と子供1人のときは客室の選択肢が少なめになります。4名部屋では貸切料金がかかることが多いですが、3名部屋の少ない船では4名部屋の3名利用では貸切料金のかからないプランを用意しているフェリー会社もあります。また、2〜3名個室(2名でも貸切料金なしで利用可)を用意している船もあります。
  • 乳幼児連れの料金

    フェリーでは、未就学の子供は乳幼児として扱われます(飛行機(通常3歳未満)とは違って長い期間安いです)。乳幼児は、添い寝であれば大人1人につき1名は無料です。個室の定員にもカウントされませんので2人部屋に、大人2人と添い寝の乳幼児1名で泊まることができます。添い寝をせずに、1つのベッドを使用する場合は、小児運賃がかかります。添い寝の場合も含め、予約時に含める必要があります(安全管理上、乗船者のリストにあり、救命設備もあるため)。

    小児運賃は大人の半額になりますので、貸切料金の説明で書きました不足人数の追加料金と同じになります。例えば、3名部屋を大人2人と添い寝の乳幼児1名で利用したときの料金(大人2+貸切料金)と、大人2人とベッドを使う乳幼児1名の料金(大人2+小児1)は同じ料金になります(フェリー会社によっては割引運賃の適用のされ方によって差が出る場合もあります)。そうなると、ベッドを使うほうがお得にも感じます。
  • シーズン別の料金と予約

    フェリーの料金は年間通して大きく変動しない会社が多いです。北海道航路では、特に人気のお盆や年末年始と、ハイシーズン、オフシーズンの3ランクが多く、その他の航路では2ランクが多いです。オレンジフェリーのように一年中同じ料金の会社もあります。年末年始やお盆には、割引が利用できないこともありますので詳しくはフェリー会社のページで確認してください。
    GWやお盆、年末年始の個室は人気が高く、人気の航路は発売開始から数分で満室になることもあります。予約開始は多くの航路でが2ヶ月前からと飛行機よりは遅く、JRよりは早いです。
  • 割引

    フェリーに実際に乗船するときは、正規料金ではなく色々な割引を使うことができます。その中には、誰でも直前まで使える割引もあります。一番誰でも直前まで使えるのがインターネット割引です。多くの会社で2割引ぐらいになり、直前でも使うことができます。往復割引というのもありますが、割引率も低いためおすすめしません。そのほか、各フェリー会社で企画した特別な条件だけで使うことができる割引があることがあります。フェリー会社以外の予約方法で安くなることは少ないですので、フェリー会社のオフィシャルサイトを見るのが一番です。なお、複数の割引を併用することはできません。