大型の夜行フェリーで旅する魅力をまとめました。他の移動手段とは大きさが全く違うフェリー旅はには他にない魅力がたくさんあります。
  • フェリー旅は「動く絶景ホテル」

    フェリー旅を一言で表わすと「動く絶景ホテル」です。大型フェリーは全長200mほどあり街中のホテルよりも大きなサイズで数百人が泊まることができます。客室は多様でバス・トイレ付きのツインの部屋や、スイートルーム、レストランもあり設備はホテルそのものです。フェリーは動くので、ホテルに泊まってベッドに寝ている間に目的地まで連れて行ってくれます。また、リゾートホテル顔負けの絶景が窓の外には広がっています。
  • 夜行で時間を節約

    長距離航路の多くは夜行フェリーです。フェリーの多くは20ノット(約36km/h)ぐらいで進みますので、だいたい500kmぐらい離れた場所への航路を12時間になります。ちょうど、九州から関西がこの距離。そのため夜に出港して、朝に到着という便になっています。四国からも夜遅く出港し、早朝に関西や九州に到着する便があります。朝早く目的地に到着しますので、到着した日から最終日の夜まで旅先の時間を過ごせます。旅の途中に使っても1泊分の宿泊代と交通費を節約できます。
  • 自由に動き回れる船内

    夜行バスや海外への飛行機をイメージして「夜行はちょっと…」「長時間は疲れる」と思われるかもしれません。フェリー旅ではベッドで寝ることができるので大きく違いますが、それだけではありません。ずっと同じ場所にいる必要はなく、広い船内を歩き回って過ごすことができます。ロビーのソファーに座ったり、レストランで食事したり、お風呂に入ったり、デッキに出て新鮮な空気と絶景を見たり。動けるというのはずいぶんと楽です。

    詳しくは「大型フェリーの船内(パブリックスペース編)」をご覧ください。
  • ゆっくりお風呂に入ることができる

    フェリー旅は、お風呂がある唯一の交通手段ではないでしょうか。大型フェリーは絶景ホテルですので、大浴場まであります。外の絶景を見ながら湯船に浸かる。渋滞する高速を運転するのとは大きな違いです。一部のフェリーはサウナや露天風呂もあります。
  • 渋滞もなく運転も不要

    長距離を車で走っていると渋滞に巻き込まれることもありますが、広い海の上には渋滞はありません。出発地の近くのホテルの駐車場に停めたら、翌朝は目的地近くのホテルの駐車場から出発できるようなものです。フェリーは遅れないの?と思われるかもしれませんが、ほとんど遅れることはなく、遅れても30分以内です。瀬戸内海航路では台風と春の濃霧で、外洋航路では台風と発達した低気圧で、欠航や大きな遅れがありますが、年に数回ぐらいです。
  • 旅のスタイルに合わせた多様な客室と運賃

    フェリーの船内はリゾートホテルから、ビジネスホテル、カプセルホテルまであるようなイメージです。写真の左上は、リビングとベッドルームが分かれていてバスルームや専用のバルコニーまであるリゾートホテルのようなスイートルーム。右上の旅館のような和室の客室もあれば、左下はカプセルホテルのようなベッドのみの相部屋。右下は一番安い等級で仕切りもない相部屋です。料金も大きく違い、高速バスより安い2等(九州〜大阪 約5000円)から新幹線よりやや高い等級まであります。

    これだけ多くの種類の客室があるということは、そのときの旅のスタイルに合わせて選ぶことができるということです。とにかく安く行きたい学生の旅、プライバシーは確保したい1人旅、旅人と触れ合いたい相部屋の旅、贅沢なクルーズをしたい旅、子連れで騒いでも大丈夫な空間を確保したい旅、それぞれに最適な客室があります。

    なお、客室のフロアも等級で大まかにわけられていることが多く、最上級の客室のある区画には相部屋の等級の人は入ることができず、必然的に上の等級の客室のエリアが静かな空間になっています。
    詳しくは、大型フェリーの船内(客室編)客室の等級の選び方もご覧ください。
  • デッキで感じる自然

    洋上を移動する大型フェリーは、ホテルを建設することができないような国立公園の中を移動しています。海の見えるリゾートホテルよりもいい景色を客室や徒歩0分のデッキで見ることができます。
    見ることができる景色は航路や時間帯によって様々で、瀬戸内海航路は美しい多島美や、神戸の夜景。太平洋・日本海航路は広い大海原など。海の上では、野鳥やイルカ、夜中に海が光る夜光虫(プランクトン)などに会うことも。言葉で書くより写真で一例を。
  • 子連れや高齢者でも楽な旅

    夜行の移動手段ですが、動くホテルでお風呂にはいってゆっくりとベッドに寝られますので、子連れや高齢者の移動にもおすすめです。ただ、客室は様々なのでこの場合は相部屋でなく個室にすることをお勧めします。

    子連れの移動の場合、新幹線や飛行機など同じ場所にずっと座らせておくのに苦労します。赤ちゃん連れだと泣き出したら…。フェリー旅の場合は完全個室ですので、多少騒いでも周りを気にする必要がありません。個室内で飽きてきたら、船内を散歩したり、デッキの上で遊んだりすることができます。個室の場合はあまり機会がないとは思いますが、新しい船にはキッズルームや授乳室などもしっかりと完備しています。

    高齢者の移動では、トイレが近いことや、車椅子での移動など気になると思いますが、新幹線や飛行機と違ってトイレに行くときに他人に気を使う必要はありません。また、上の等級(クラス)の客室であれば客室内にトイレがありますし、新しい船には車椅子でもバリアフリーの専用客室を完備したものが増えてきました。多くのフェリーはエレベーター完備になっています。
  • 食事にも困らない

    大型フェリーのほぼすべてにレストランがあります。フェリーの航海時間に合わせて朝昼晩の食事が販売されています。フェリーによっては軽食を提供するカフェがあるものもあります。バイキング形式、1品づつ購入する形式、定食形式などがあります。値段や品質はフェリー会社によって大きな差があり、安く美味しいものを食べられるフェリー会社もあれば、高くて品質がいまいちな会社もあります。会社によって差があるので口コミを事前に確認したがいいかと思います。過去の乗船記も参考にされてください。
  • 静かで揺れない船内

    フェリーって揺れないの?とよく聞かれます。特に一晩を過ごすような長距離のフェリーは1万トン以上の大型フェリーが多く、小型フェリーのように揺れません。

    瀬戸内海の航路は、荒れた天気でも全くと言っていいほど揺れません(船内にいると、出港したのに気づかないことがよくあります)。船内で酔った人を見たことがありません。酔い止めを飲む必要はありません。

    太平洋・日本海の大型フェリーには横揺れ防止装置がついています。天気が嵐のときには揺れますが、普通の日であればほとんど揺れを感じず、波が高め(2.5mなど)だと少し揺れているなぁと感じるぐらいです。これぐらいであれば船内で酔った人を見たことがないです。心配であれば出港前に酔い止めを飲んでおくようにしましょう。