駿河湾フェリー「富士」

清水港(静岡県)〜土肥港(静岡県)
乗船時期:2017年3月
  • 駿河湾フェリーは静岡市の清水港から駿河湾を横断して伊豆半島の土肥港までを1時間弱で結んでいる航路です。1隻のフェリー「富士」(1,554GT)を使って1日4往復ピストン輸送しています。伊豆半島の道路は渋滞が多く、主に観光客の航路として使われています。日によっては航路から富士山がよく見える眺望もいい航路です。
  • 清水マリンターミナルと呼ばれるフェリーターミナルから出ています。200mぐらい離れた場所にはエスパルスドリームプラザという大型商業施設があり、ターミナルとの間にも大型駐車場(1日最大300円)があるため、徒歩で乗船のときは車を置いてそこから歩いていくこともできます。JR清水駅から徒歩だと距離がありますが、連絡バスが出ています。
  • フェリーターミナルの中からは、清水港や空気が澄んでいれば富士山も見ることができます。横に泊められたタグボートもよく見えています。
  • 旅客のみの片道の運賃は乗船した日(期間B)で2,100円。往復すると4,200円ですが、現地で下船せず船に乗って往復したいという人には「駿河湾遊覧チケット」というのがあり、2,710円で往復乗船することができます。この日も5〜10人ぐらい利用者がいて、意外と利用されているチケットなのですが、購入すると紙のチケットでなく、このようなものを渡されます。札は乗船時に渡すもの。リボン?は下船しない旅客の目印のようです。こんなタイプのチケットは私も初めてです。
  • 清水港のフェリー岸壁は、普通の岸壁に浮桟橋を横付けしてL字岸壁のようにして船首ランプウェイから上下船しています。浮桟橋で固定されていないので、大型客船が入港する日などは、浮桟橋を移動させて別の場所から発着するなどフレキシブルな対応ができているようです。
  • 定刻より15分ほど遅れて13:20頃に「富士」が入港してきました。ダイヤでは僅か15分でのピストン輸送をやっています。
  • タラップや人道橋はなく、車の下船が終わったら、徒歩の乗客が船首のランプウェイから乗船します。
  • 車両甲板から客室への移動は階段だけでなく、奥にエレベーターもありました。
  • 客室は2層になっていて、下のデッキが一般客室です。上の客室は有料(500円)の特別室になります。一般客室の前方は前向きのシートが並んでいます。前方も窓ですが、船首の作業甲板と同じ高さで展望はあまりありません。
  • 中央付近は向かい合わせのソファー席でテーブルもあります。
  • 後方には1箇所だけですが、2等和室タイプの座敷席があります。子供が多く遊んでました。
  • 後部のデッキには屋根があるスペースがあって屋台があります。
  • この屋台、飛ぶように売れていて入港間近でも焼けるのを待っている人がいました。
  • 後部のデッキ。デッキは階段を登って上のデッキにも行くことができます。
  • 入港が遅れた影響で、約15分遅れで清水港を出港。
  • 離岸直後に、清水海上保安部の巡視船PM36「おきつ」とすれ違いました。
  • 清水エル・エヌ・ジーの袖師基地にLNGタンカー「ENERGY NAVIGATOR」(119,000GT 289m)がいました。この日の朝入港したようです。本船は東京ガスの子会社と商船三井の共有船で、ファンネルマークには東京ガスの文字があります。この日はオーストラリは北西部のKarrathaからの輸入のようでした。
  • ここを拠点に調査活動をやっている地球深部探査船「ちきゅう」の姿もありました。
  • 清水港はコンテナ埠頭が多く、大型のコンテナ船の姿を多く見かけます。
  • 清水港の外に出てからすれ違ったのは加工凍結船と呼ばれる特殊な船「TUNA QUEEN」。名前からも分かりますが、マグロの加工・運搬を専門にしています。船上に運び込まれたマグロを加工して急速冷凍し、日本まで運んできます。今回もはるか遠くの南太平洋から1ヶ月以上かけて来たようでした。
  • 続いてコンテナ船「CONTSHIP ACE」とすれ違い。清水港はコンテナ船と水産系を多く感じます。
  • この日は残念ながら富士山が見えませんでしたが、視界がよければ富士山を眺めながらの航路になります。揺れもなく航行を続け、出港から40分後には前方に伊豆半島の台地が見えていました。
  • この日は暖かく、デッキの上に多くの人が出てきています。
  • この航路は県道223号(223=ふじさん)として登録されています。デッキにも県道の標識があります。
  • 土肥の街が近くなりまもなく入港です。
  • 土肥港は、陸上から伸びたドルフィンのみで構成された簡易的なものです。防波堤もないので風向きによっては波が入りやすいかもしれません。
  • 岸壁には折返し便に乗船する人が待っています。こんな風に待っている人が見える航路も珍しく思います。